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【カドリーファーム】貧しい農民の自立を援助したカドリー兄弟の遺産

ファームのアイキャッチ画像

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こんにちは〜。Satokoです。

 

突然ですが、香港で有名な『ペニンシュラホテル』。

創業者の名前をご存知ですか?

 

ホテルの名前を聞いたことはあっても創業者まではご存知でないかもしれませんね。

 

創業者の名前は、エリス・カドリー(Ellis Kadoorie)。

カドリー家はもともとイラク、バグダッド出身のユダヤ人で、アジアで最も裕福な家族のひとつでした。

 

今回紹介するカドリーファーム Kadoorie Farm and Botanic Garden(KFBG)は、ペニンシュラホテルの創業者のエリスの弟、エリー・カドリー(Elly Kadoorie)の二人の息子が作った農場で、香港で最も高い山・大帽山(Tai Mo Shan)の北斜面に148ヘクタール(東京ドーム約31個分)の土地を所有しています。

この農場は、エリーの二人の息子が第二次世界大戦後、地元の貧しい農家の人たちの経済的自立を支援するために生まれました。

カドリーファームはこんな人にオススメ

  • 香港の農業に関心のある人
  • カドリーファームに興味がある人
  • 子供と一緒に動物を見たり、ハイキングをしたい人

カドリーファームは子供と一緒に動物を見て回るだけでも充分楽しいところですが、エリーの二人の息子について事前に知っておくと、さらに魅力的な農場に思えるようになるはずです。

今回の記事では、

  • カドリーファームが生まれた背景
  • カドリーファームを見学するポイント

について紹介します。

博愛主義を基本としたカドリーファーム

1941年、香港には115万人が住んでいましたが、1945年の日本の占領が終わる頃には約60万人にまで減少していました。

同じ年、中国の内戦を逃れた中国からの難民が移り住み、1946年末までには150万人に膨れ上がりました。

兄のローレンス(Lord Lawrence Kadoorie、写真左)と弟のホレス(Sir Horace Kadoorie、写真右)は、貧しい難民のほとんどが農民であり、彼らの経済的自立を助けたいとの願いから1951年にカドリー農業援助協会 Kadoorie Agricultural Aid Association (K.A.A.A.)を創設しました。

 

カドリー兄弟写真出典:Kadoorie Farm and Botanic Garden ホームページ

カドリー農業援助協会の立ち上げを最初に考えたのは、弟のホレスです。

ホレスは香港で暮らす以前に上海に住んでいて、第二次世界大戦中、ヨーロッパから上海に逃れてきた2万人のユダヤ人を援助してきました。

[keikou]ホレスには、困っている人の自立を助けるのが最善の方法という哲学があり、その考え方が香港の難民支援にもなりました。[/keikou]

1956年にカドリーファームが設立され、自立支援が必要な農家に農業援助を提供する中心の場所となりました。

 

カドリー兄弟はどのような支援をしてきたか

[keikou]カドリー兄弟は戦後、香港・新界に住む中国本土から逃れてきた難民に作物の栽培方法や家禽の育成方法を教え、多数の難民家族を支援しました。[/keikou]

カドリー兄弟が農民に行った支援の一例

[aside type="boader"]
  • 香港の村人に3367頭の牛を提供
  • 新界の未亡人たちにより良い生活をしてもらうために、雄鶏2羽、雌鶏18羽をそれぞれ提供
  • 農業で生計を立てる人のため、資本が必要な人に無利子ローンを提供
  • 村人のために、資金援助して衛生的な豚小屋を建設
  • 灌漑用水、農道を舗装するためのコンクリートを提供
  • 栽培効率を向上させるため、牛や耕運機を提供
[/aside]

これらは、カドリー兄弟が村の農民のために行った支援の一例ですが、カドリーファームは戦後、貧しい人々のための良き指導者として、新界の農業に大きな貢献をしてきました。

カドリー兄弟の功績を知る上で、訪れるべき価値ある場所といえます。

 

カドリーファームの場所

行き方 MTR東鐡線大埔(Tai Po)駅より64Kバスでカドリーファーム下車

営業時間 9:30〜17:00

入場料 大人 30HKD 、 子供(12歳未満)15HKD、5歳未満は無料

カドリーファームを歩いてみよう!

カドリーファームのマップです。

カドリーファーム全体図

出典:Kadoorie Farm And Botanic Garden Map

カドリーファームのマップは、単なる平面図として見るのではなく、山の形のマップとしてイメージするとわかりやすいです。
マップの下、入口付近は標高が低く(152m)、カドリー兄弟を記念するあずまや(マップ左一番上)は標高が高く(602m)なります。

 

見学のポイント

現在のカドリーファームには、斜面に森林、8kmの歩道、果樹園、畑、動物保護施設と教育施設が備わり、地元の住民の憩いの場となっています。

子供と一緒に動物を見たい人

豚の写真

マップの下、三分の一に動物保護施設が集まり、イノシシ、豚、さる、ワシ、タカなどが展示されています。

カフェの写真

入口付近にカフェもあるので、休憩に便利です。

 

子供と一緒にハイキングをしたい人

 

ハイキングコース写真

入場券を買うときにシャトルバスの予約をして、シャトルバスに乗って一度山頂まで行き、歩いて降りることをオススメします。

下から登って行くと、かなり坂道が急で、途中で子供が嫌がる可能性があります。

園内の山の途中にバス停はありますが、シャトルバスのチケットがないと乗れません。

行きに山頂を目指し、帰りにシャトルバスに乗って帰ることを考えている人は、入場券を買うときに帰りのバスのチケットも予約しておきましょう。

シャトルバスの値段 大人 10HKD 、 子供(12歳未満)5HKD、5歳未満は無料

 

カドリーファームに興味がある人

農場博物館では、カドリーファームの昔の様子がわかる写真が展示されています。

また売店では、カドリーファームで採れた新鮮な野菜を購入することもできます。

 

まとめ

いかがでしたか?

香港の資産家出身カドリー兄弟が地元の貧しい農民の自立を私財で援助してきたことが理解していただけたでしょうか。

香港のペニンシュラホテルやカドリーファームを創業したカドリー家には、ビジネスで得た富を貧しい人たちに還元し社会に役立てようとした使命が感じられます。

 

香港の農業は衰退し、現在のカドリーファームの取り組みは、環境・社会・経済の観点から世の中を持続可能な社会にしていくサステナビリティを奨励することに移っています。

 

カドリーファームを通して、香港の資産家が持っていたボランティア精神を感じていただければ幸いです。

 

以上、『貧しい農民の自立を援助したカドリー兄弟の遺産』でした。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

 

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