こんにちは〜。Satokoです。
香港で最も美しく、陸・海・空の絶景が全て楽しめる海岸線をスピードボートに乗って探検してみませんか。
新界北東部にある『印洲塘(Yan Chau Tong)海岸公園』。
英語名でDouble Haven Marine Parkとも言います。
印洲塘海岸公園一帯は、交通アクセスが非常に不便なため、香港の開発の手が届いていない最後の秘境といっても良い場所です。
周辺にある村は非常に小さく、人はほとんど住んでいません。
一部の村へ行く定期船が週末のみありますが、公園全体を巡るためには、
- 個人でボートを手配する
- ツアーを利用して訪れる
のどちらかになります。
今回、英語のガイドツアー『印洲塘(Yan Chau Tong)海岸公園』を巡る1日ツアーDouble Haven Island Tour を紹介します。
手つかずの香港の貴重な自然の絶景とイギリス植民地の影響を受けなかった香港の村の生活に出会える旅になりますよ!
目次
印洲塘海岸公園について
印洲塘海岸公園は、四方を美しい入江と青緑色の水に囲まれた岬や断崖、歴史ある小さな村を特徴とした公園で1996年に海岸公園として認定されました。
一帯は珍しい火山岩や堆積岩の形成がみられ、香港ユネスコグローバルジオパークとしても認定されています。
印洲塘海岸公園の山々は1億6千万年前、ちょうど地球上で恐竜やアンモナイトが生息する頃、溶岩が火山灰と交わり岩層を形成、高い山から低い川へ土砂が移動して赤い堆積岩を形成しました。
これらの地形を印洲塘海岸公園でみることができます。
Double Haven Island Tour 内容について
香港で暮らすオランダ人のウォルターさんが主催している『Double Haven Islands Tour』。
香港ジオパークの『新界東北堆積岩地質エリア』を中心に見学しながら、周辺の小さな村を訪れて昔の人々の暮らしぶりも理解できる内容となっています。
どんなスケジュールなの?
朝9時に東鐡線MTR「大学」駅前に集合。
ウォルターさんの案内で、タクシーに分乗。
下記の地図の■の場所、黄石(Wong Shek)埠頭へ向かいます。
そこからチャーターしたスピードボートに乗って、
- 赤洲(Port Island)…数字1の場所
- 黄竹角咀(Wong Chuk Kok Tsui)…数字2の場所
- 紅石門(Hung Shek Mun)…数字3の場所
- 荔枝窩(Lai Chi Wo)…数字4の場所
- 三椏村(Sam A Tsuen)…数字3と4の間
- 鴨洲(Ap Chau)…数字5の場所
- 吉墺(Kat O)…数字6の場所
を回ります。
帰りはボートで黄石へ戻るか、塔門(Tap Mun)…数字7の場所からフェリーに乗り換え、馬料水(Ma Liu Shui)埠頭…▶︎の場所へ戻ります。
黄石到着は夕方5時半、馬料水到着は夕方7時に到着します。
ツアーの見どころ
ウォルターさんのツアーは少人数、ジオパークと歴史のある村を見学するのが特徴です。
赤洲(Port Island)…沿岸警備の要所で大海原を見渡せる!
まず最初によるのは赤洲です。
赤洲は香港がイギリスの植民地であったころのイギリス軍の沿岸警備の見張所があった場所です。
ここは、埠頭もなく、岸壁にボートを横付けして上陸します。
自力で行くには不可能な島です。
赤い堆積岩が隆起した島としても有名です。
丘の上、地上131mを目指して15分ほど階段を登ります。
海抜0mから登るので息がきれます。
イギリス軍の沿岸警備で使われていた島だけあって、頂上では大海原を見渡せます。
往復30分のハイキングです。
黄竹角咀(Wong Chuk Kok Tsui)…悪魔の拳がある!
次に向かったのは、黄竹角咀にある鬼手岩(Devil's Fist)。
赤い服を着た人の右側に握りこぶしを突き出したような形にして見える岩が鬼手岩(Devil's Fist)です。
波が穏やかな場合はボートから降りて岸に上がって写真を撮ることができますが、波が安定していないと沖合いから見学することになります。
数人のハイカーが鬼手岩の横で写真を撮っていますが、陸上からハイキングで鬼手岩へたどり着くには、馬料水発のフェリーで最寄りの荔枝窩まで行き、そこから歩いて4時間かかるそうです。
陸からのアプローチは大変ですが、ボートを使うと楽に行ける黄竹角咀です。
紅石門(Hung Shek Mun) …真っ赤な岩場!
紅石門とは、両岸を赤い岩石で囲まれた水路という意味です。
このあたりから、荔枝窩(Lai Chi Wo)、三椏村(Sam A Tsuen)にかけての海は印洲塘景區(Double Haven Geo Area)に指定されています。
周辺の岩場は赤洲と同様、赤い堆積岩からできていて一面赤茶色の岩場で覆われています。
海の水をせき止めた堰があり、堰の水の中をのぞくとナマコや貝が生息し、魚が群れをなして泳いでいます。
紅石門は現在、廃村となっています。
村を30分ほど散策してから、再びボートに乗って荔枝窩を目指します。
見渡す限り、山と海。
イギリスの植民地時代、このあたりは「政府専用ビーチ」と呼ばれイギリスの役人たちが日焼けをするために訪れた場所でありました。
見渡す限りの海、山、空の絶景が続きます。
ボートから海を眺めれば、そこが香港であることをすっかり忘れてしまうほど美しいリアス式海岸です。
荔枝窩(Lai Chi Wo)…客家の村が見学できる!
印洲塘海岸公園は300年以上の歴史を持つ客家の村です。
荔枝窩特別景區(Lai Chi Wo Special Area)に指定されています。
香港の客家の村の中でも最も古く、最大の規模を誇る村のひとつです。
村の中には1.2kmのトレイルがあり、村の守り神である風水林、壁で囲まれた形の村、そして海岸沿いにマングローブと干潟を見ることができます。
路地裏に入り、客家の住居を眺めながら風水林へ向かいます。
風水林の中には第二次世界大戦中、日本軍が木材調達のために伐採しようとした巨木があり、村民が命がけで守ったという実話があります。
荔枝窩は自然と文化が融合した風景に出会える場所です。
三椏村(Sam A Tsuen)…客家の海鮮料理が食べられる!
荔枝窩の村からマングローブの林の中を抜けて歩くこと1時間。
三椏村では週末だけ開く食堂「福利茶室」で海鮮料理を中心としたランチタイムとなります。
茹でたイカのわさび醤油付き、イカフライ、煮魚、酢豚、チャーハン、油菜、焼きそばをいただきました。
鴨洲(Ap Chau)…キリスト教信者の島!
ランチを食べてから、残りの島、鴨洲(Ap Chau)と吉墺(Kat O)を巡ります。
まず最初に向かったのは鴨洲。
この島は海から離れて島を眺めると鴨の形をしているように見えるところから「鴨洲」と名付けられました。
埠頭を左に曲がり海岸沿いを歩くと1953年に建てられた学校と教会を目にします。
キリスト教に改宗した漁村で1960年代には約700人が暮らしていましたが現在は数人しか暮らしていないそうです。
香港で唯一、大きな堆積性角礫岩が露出している場所でジオパークにも指定されています。
吉墺(Kat O)…幸運の港のある
鴨洲よりボートで10分の吉墺(Kat O)。
喧騒とは無縁のしっとりと落ち着いた漁村です。
吉墺は「幸運の港」を意味し、元々は漁師たちが船を泊めるための港でした。
その後少数の客家が定住して漁船相手の商売を始めました。
休日には多くの観光客がツアーで訪れ賑わいますが、訪れたのが日曜日の午後4時過ぎ。
食堂の片付けをする店員さんと売店を営む人2名しか人を見かけませんでした。
天后宮、水天宮、許願樹などが埠頭から徒歩圏内にあります。
静かで穏やかな海辺の景色を堪能した後、ツアーは終了になります。
まとめ
いかがでしたか。
印洲塘海岸公園周辺は、香港ジオパークと昔ながらの村の景色が残る貴重な場所です。
『Double Haven Islands Tour』はリクエストがあれば実施するツアーとなっています。
香港の隠れた絶景スポットに興味のあるあなたは、是非ウォルターさんにリクエストして訪れてみてはいかが?
Double Haven Island Tourの公式サイトはこちらからどうぞ!
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